名人戦(2007)アマの目

第32期名人戦七番勝負第7局

                                                    高野圭介


朝日新聞


朝日の名人戦第7局の問題点が
本日・2007年12月2日、紙上に差し掛かった。

私の評の評がどのように表現されるか、大いに楽しみである。
アマなればこそ、天下の名人に、もの申す!

決して、傲慢・不遜と笑わないで欲しい。
真理の探究とは権力にひれ伏さない、と言うことなんだから。


12月3日付け 朝日の囲碁欄に辻褄の合わない評あり。

そもそも、アマとプロの眼の違いがすべて・・・
そうなんだろうなぁ・・・と驚いた。


決勝戦


張と高尾の3対3、大詰めを迎え、さあ、始まった。

      

実戦棋譜


高尾
苦戦の
元凶は

白30





第1日目

白30が難しい。私にはとても分からない。

周りは白の強いところだから、攻めるには
刺激しないで打つところではないか。

それが、実戦だが、

だから、ハネダシは相手に刺激が大き過ぎたかも・・・
しかし
白26ハネダシはよい感性で打ったとして、
白30は、同型を後から行った、普通、好ましくない手。
その後、
黒27の上から、アテて打つのはどうなのか?


白30から変化し、結局、白42ウケと、後手を引いてしまった。
白は手割りも喰うたのでは・・・黒優勢。
元凶は白30

つまり、白30は、25と27のハザマに打つのはどうか


実戦棋譜

黒に35.37.と突き抜かれてはつらく、
「これはないだろう」と、検討陣は見ていた。
しかし、白60と、27の1子を制して、
以外とバランスが取れている。


観戦記 内藤由起子



私は不思議な感じがしていた。
しかし、これには、翌日、種明かしがあった。

白36が最初で最後のチャンスだった。
一見危ないようでも、ハネにオサエる。
それが逆転の火の手だった。


観戦記 内藤由起子




もう、難しくて、凄いなぁ!と終始感心するばかり。
 後で、高尾が「たぶん、第一日目が相当悪かったのだろう」と
言っていましたが、きっと、本音でしょう。

黒77はちょっと頭に乗った失着では?単なるヨセではないか!
 つまり、不急の処で、黒が負ければ、敗着にもなるところ。

78に先着なら、白は参っていたのでは。

 白94となって、白もやっと寛いだ。

 
でも、白は形勢を安堵したものではない。
 キリ味もあり、黒なお良し。



実戦棋譜

黒77の一段落まで、
「白がからく、一本取ったと思った」
と蘇解説者。

その判断はすぐ覆される。
つまり、黒79を用意していた。
これで止まっているのだ。

観戦記 内藤由起子



私は驚き以外何もなかった。
なるほど、黒77はいやが上にも厚かった。

当事者と解説者・観戦者の違いは
アマとプロの眼の違いは
驚愕に値する。

高野圭介



黒の失着
黒77





武宮陽光
解説




解説棋士・武宮陽光説

黒、好点にまわる

黒27から始まった戦いが、白42までで一応一段落しました。

第一感は黒35、37と突き抜いて39とカカエた形が素晴らしく、
やや黒かなという印象を受けましたが、
黒27と黒33の2子をカカエた白の形も厚く、
いい加減なのでしょうか。



ただここで先手を取って、
かねてよりの狙いの黒43のボウシにまわれた
のは黒にとって喜びです。

このボウシは右辺の模様を盛り上げながら、
右上の白への攻めをみた一石二鳥の好点です。


2007年11月08日14時10分

高尾名人は白28のハネダシから白30とオサエ込みました。
この手はやや妥協した戦い方です


白28では本来12の十三とハネたいところでしたが、
それだと黒に13の十四にノビられて、
どちらかが潰れそうな戦いが免れず
名人の方がやや危険とみたのでしょう。



2007年11月08日13時20分

黒27は厳しい手で、高尾名人の次の一手次第では
険しい戦いになる可能性があります。

この対応が大変難解なので、
遡って白26で27の点に打っていれば固く、僕
ならこちらを選んでいたかもしれません。
ただ、成立すれば当然実戦の白26の方が厳しいので
午後の名人の対策が大変楽しみです。